【フランス映画祭2013】リュディヴィーヌ・サニエ「元彼には礼儀正しくするけど、それ以上はないわ」

21〜24日までひらかれたフランス映画祭。24日、映画『恋のときめき乱気流』が上映され、主演のリュディヴィーヌ・サニエが登壇しました。
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『恋のときめき乱気流』は、今年4月にフランスで公開されたばかりのロマンチックなラブ・コメディ。リュディヴィーヌは、フランソワ・オゾンの『焼け石に水』『8人の女たち』『スイミング・プール』などで知られ、今年5月のカンヌ国際映画祭では、ある視点部門で審査員をつとめています。


STORY

アーティストのジュリーはニューヨークで彫刻の個展を終え、パリに帰国するために空港に向かう。ビジネスクラスにアップグレードされて喜んだのも束の間、隣の席に駆け込んできたのは3年前にひどい別れ方をした元恋人のアントワーヌだった。席を移ろうにも、あいにく機内は満席。気まずい雰囲気の中、言葉を交わし始める二人。だが、まだヨリを戻したがっているアントワーヌに対し、結婚を控えているジュリーは、できれば口も聞きたくない。アントワーヌの窮状を見かねて必死に助言する周囲の乗客たち。到着まで7時間、乱気流に巻き込まれながらも飛行機はパリへと向かう……。

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Q&A
Q:100%のコメディ映画は初めてだと思いますが、出演してみていかがでしたか?
リュ:これまでは深刻なドラマ、ミュージカルに出演してきて、ラブコメは初めて。でも、人生には軽いものがいいときもありますよね。脚本を読んで、ぴったりのタイミングでこの仕事がきたと思いうれしかったです。たまにこういう仕事をすると刺激になります。
Q:真の愛とはどうやって見つけるのだと思いますか?
リュ:私にもわかりませんが、個人的にはやってくるものだと思っています。
Q::元彼と映画のようなシチュエーションになったらどうしますか?
リュ:この映画のような状況は現実にはほとんどあり得ない、だからおもしろいだと思います。でもそれが起きて、元彼と会ってしまったら、礼儀正しくはすると思いますが、それ以上のことはないでしょうね。
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Q:撮影で楽しかったこと、大変だったことは?
リュ:楽しかったのは、いちばん最初のシーン、ニューヨークで家からでてきたところです。黄色いタクシーやブルックリンらしい家があって、まるでアメリカ映画に紛れ込んだようでワクワクしました。いちばん大変だったのは、エッフェル塔のシーンです。まず、エッフェル塔に行ったことがない人には、塔の上は夏でも冬でも、ものすごく寒いということをお伝えしたいですね。撮影の時もとても寒くて階段でつまづいて手すりにぶつかって肋骨を折ってしまいました。でもエッフェル塔が光るのは1時間に1回で、撮影は夜中から朝の7時まで、7テイクしか撮れないうえに、光った時に合わせてコメディらしく楽しそうにせりふを言わなきゃならなかった。でも実際は寒いし痛いしで大変でした。
Q:あのシーンは、セットで撮ったのかと思いました。
リュ:セットだったらよかったです。
Q:ジュリーは彫刻家と言う設定ですが、役づくりは?
リュ:映画にでてくる作品をつくったアーティストと一緒に役づくりをしました。ずっと一緒にいて、アーティストのアプローチを彼を観察して学びました。
Q:衣装について教えてください。
リュ:シナリオを読んで、この役はかわいい服が着れるのではないかと思い、スタイリストと細かく話し合いました。ラブコメというと、『めぐり会えた』『セックス・アンド・ザ・シティ』などが30代の女性に人気ですが、みな自分の見せ方に気を遣っていて、独立した女性として見せようとするんだけれど、かわいいところがあるという共通点があります。ジュリーも独立した女性でありながら、かわいさを捨てきれない女性です。
Q:フランスの女性は安定した男性よりスリルを求める?
リュ:この作品のなかで、「彼と落ち着いた生活をするより、あなたと恐れを抱く方を選ぶわ」というせりふが心に残りました。フランス女性だからかどうかはわかりませんが、勇気を持って自分がもろくなるような愛をつかむ、そのことにフランス女性は意味を感じているのだと思います。フランスの作家、アルフレッド・ドミュッセという人の作品のなかに、「私はしばしば苦しんだ、裏切ったこともある。でも私は愛した、だから私は生きた」というせりふがあるのですが、それがまさにフランス女性の生き方に呼応していると思います。

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