海外ドラマ「ブラックリスト」シリーズに携わる日本人が語る本シリーズの魅力とは?

『スーパー︕ドラマTV』で放送中のアクション・サスペンス「ブラックリスト    シーズン7」。

「ブラックリスト シーズン7」の独占⽇本初放送を記念して、2004年にはエミー賞を受賞しており、「ブラックリスト」にパイロット版から⻑年に渡って携わる⽇本人のサウンドエディター石川孝子さんへのオフィシャルインタビューを公開!

 いよいよ独占⽇本初放送が開始となった「ブラックリスト シーズン7」。本国アメリカでの好調な成績により、すでにシーズン8の製作も決定している⼤⼈気の海外ドラマシリーズです。そんな「ブラックリスト」に⻑年携わる⽇本⼈スタッフが。2004年には海外ドラマ『デッドウッド〜銃とSEXとワイルドタウン』にて第56回エミー賞の⾳響編集賞を受賞し、現在もハリウッドでサウンド・エディターとして活躍中の⽯川孝⼦さんです。「ブラックリスト」シリーズにはパイロット版から携わっており、⻑年に渡って「ブラックリスト」を作り上げてきた⽯川さんが語る、サウンドエディターというお仕事と本シリーズの魅⼒とは?

 サウンドエディターという仕事について

「サウンド・エディターは、テレビや映画の全ての⾳作りの責任を担う仕事で、最終的にミキサーが⾳をミックスダウンできるようにするために⾳を準備する⼈たちです。通常、サウンド・エディティングでは専門的な仕事に分かれていて、ダイアログ(セリフ)、サウンド・エフェクト(効果⾳)、フォーリー、それとミュージックに分かれています。ちなみに、サウンド・デザインというのもサウンド・エフェクトに含まれます」と石川さん。

視聴者の五感をいじる

「ブラックリスト」では、⽯川さんはフォーリーにあたる、⽣活⾳や環境⾳などのバックグラウンドの⾳を担当。

⽯川さんはサウンド・エフェクトの中でバックグラウンドの重要性について次のように語りました。

「バックグラウンドの⼤切さはすごくあるんですが、サウンド・エディターの中でもないがしろにしてしまう⼈がいるんです。でも、私はバックグラウンドが基本と⾔いますか、⼈間の精神とかそういうところに関わっていると思うんです。ここは外国なんだとか、室内にいるけど外は⾬が降っているんだとか、そこが異様な場所なんだとか、例えば、地下のシーンでもそんなに怖くない地下があったり、怖い地下があったりと、それはバックグラウンドだけでなく役者さんたちの演技もあるんですけど、視聴者の目や⽿という五感ですよね。そういうのを⾃分はいじっているんじゃないかと思っています。だから、バックグラウンドというのは地味ではあるんですけどね、影響⼒が実はあると思っています(笑)」

実際にはセットなどで撮影されている映像にバックグラウンド⾳がつけられることによって、ドラマの中のリアルな雰囲気が作られているそうです。

その国に合った雰囲気の⾳をつける

 「ブラックリスト」をパイロット版から全シリーズ担当している⽯川さん。難しかった作業は?

「『ブラックリスト』は今までやってきたテレビドラマの中で⼀番バックグラウンドを⼊れるのに⼤変ですね。毎回、登場⼈物たちが世界中のいろんな場所に⾏くので。エリザベスたちの本部である「郵便局」がありますけど、あれは毎回同じような⾳が使えるんですが、『ブラックリスト』はどんどん場所が変わるんですよ。私が知らないような国に⾏かれたりすると、地図を⾒ながら「ここはどこ︖」なんて思ったりしていました(笑)。

特に難しかったのは、シーズン1で、ブラックリスターの⼀⼈であるベルリンの乗った⾶⾏機が墜落するエピソードですね。シーンのカットがあっちの⾶⾏機になったり、こっちの⾶⾏機になったりとかあって、とにかくカットが多くて難しかったです。ブラックリストはとにかく違う場所へのカットが異常に多いので、時間がかかります」と様々な国を⾏き来する「ブラックリスト」では、その国に合った雰囲気の⾳をつける必要があるため、苦労が多いことを明かしてくれました。

就職に苦労した結果、巡り合った仕事

 ⻑年ハリウッドで活躍する⽯川さんですが、渡⽶したきかっけは⾳楽だったそう。

「渡⽶後、英語の勉強をしながら⾳楽のレコーディング・ミキサーになりたいと思うようになって、バークリー・カレッジ・オブ・ミュージックという⾳楽⼤学で勉強を始めたんです。そこを卒業する頃に、アメリカでしばらく働いて経験を積みたいと思ったんですけど、外国⼈なので就労ビザがないために⾳楽スタジオへの就職が難しかったんですね。それで、バークリー時代に2年ほど無償でインターンをしていたんですけど、そこで知り合ったミキサーの⽅が、ロサンゼルスにある⾳楽スタジオを紹介してくれて、⻄海岸のほうが私の探しているような業界に⼊りやすいという情報も聞いたので、ロサンゼルスに来たんです。

でも、レコーディング・スタジオで働くにはインターンからまた始めないといけなかったんですよ。そうなってくると、外国⼈にとってはビザの関係とかでアメリカに残るのは難しいんですね。そんなことがあって、いろんなスタジオに電話していたら、サウンド・エディターという職業があるということがだんだん分かってきたんです。

それで、最初に思っていた⾳楽のスタジオではないんですが、アメリカで経験がしたいし、学校で勉強したことを無駄にしたくないという思いもありましたし、⾃分の学んでいたことがサウンド・エディターという仕事に使えると分かったので、そういう会社も範囲に⼊れて電話をしたり、履歴書を送ったりして雇ってもらったのがスタートでした」

登場人物がパーフェクトじゃないところが魅力

「ブラックリスト」シリーズの魅⼒とは?

「映画とかテレビドラマ作りの教科書みたいなお決まりの展開があんまりないことですね。余計なシーンがあんまりないのも好きなところです。いつまでも⼀つの話が続かなくて、何エピソードかするとすぐ解決するんですけど、その後ろにまた話が⼊り組んでいて、さらに話が進んでいくので、ズルズルと⼀つの話で持って⾏かれないというのも好きですね。

それから、意外に登場⼈物たち全員が真⾯目なんだけど、パーフェクトじゃないところですかね。それにレイモンドが突然くだらない話をするところです(笑)。シリアスなシーンなのに、全然関係ない話をするでしょ。そういうのは個⼈的に⼤好きですね、笑いながら何度も⾒たりしています(笑)。

あと、陸運局のグレンのような変なキャラクターが出てくるのが楽しいですね。アメリカに住んでいると分かるんですけど、陸運局は本当にドラマみたいに混んでいるんですよ(笑)。それに、レイモンドに頼まれていつも拷問するミスター・ブリムリーですね。いつも何の拷問をしているのか分からないのが⾯⽩い(笑)。ああいう⼈たちが出てくるとうれしいですね。⻑い間やっている中で、そういう⼈たちが同じような感じで出てきて、つながっている感じがあって好きです。

それと、個⼈的に登場⼈物の中ではデンベが⼀番好きです。レイモンドへの忠実さがいいですよね。ところが彼もいろいろ悩んだりしていて、真⾯目なんだけどパーフェクトじゃないというようなのがあって好きです」

シーズン7はココに注目!!

気になるシーズン7の見どころについては、次のように語ってくれました。

「『ブラックリスト』が始まってから、みんなエリザベスのお⺟さんであるカタリーナのことがずっと気になっていると思うんですよ。だからシーズン7の⾒どころは、彼⼥はいったいどういう⼈なんだろうかというところですね。ただ、それをここで⾔っちゃうとネタばれになってしまうので、そこはお楽しみです(笑)。カタリーナというのは、みんなが思っているような⼈なのか、それとも違うのかというところですね。みんな、想像を膨らませていたと思うんですよ。エリザベスもカタリーナは⾃分のお⺟さんですから、会いたかったんだけど、さてどうなるのかという感じです」

シーズン7を視聴する際は、ぜひ今まで以上に”⾳”にも注目ですね!!

「ブラックリスト シーズン7」

海外ドラマ専門チャンネル スーパー!ドラマTV にて

毎週火曜 独占日本初放送中

【二カ国語版】毎週火曜 22:00 ほか 【字幕版】毎週火曜 24:00 ほか

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