ヘレン・ミレン、輝き続ける秘訣は好奇心を持つこと

24日、第28回東京国際映画祭の特別招待作品『黄金のアデーレ 名画の帰還』の上映が行われ、主演のヘレン・ミレン(70)とサイモン・カーティス監督(55)、そして特別ゲストの石坂浩二さんが舞台挨拶に登場しました。
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▲特別ゲストの石坂浩二さんとヘレン・ミレン、サイモン・カーティス監督。


映画『黄金のアデーレ 名画の帰還』は、クリムトが描いた伯母アデーレの肖像画、通称「黄金のアデーレ」を取り戻すため、オーストリア政府を訴えた実在の女性マリア・アルトマンの物語。オーストリアのモナリザと称され、国の美術館に飾られてきた「黄金のアデーレ」は、第二次世界大戦中にナチスに略奪されたもので、マリアは正当な持ち主である自分のもとに返してほしいと主張したのです。
ヘレンは辛い過去と向き合いながらも確固たる信念を持ち、常に明るく前向きでジョークを欠かさないマリアをキュートに演じ、マリアとともに立ち上がった駆け出しの弁護士ランディ役はライアン・レイノルズが演じています。

サイモン・カーティス監督は「マリアが生まれたのは21世紀初めで、当時のウィーンは素晴らしい文化を生み出した場所です。そして彼女は第二次世界大戦を経てアメリカに移り、新しい生活を始めたのです。実は私の祖母はマリアと同じような体験をしていて、この役をヘレンに演じてもらうことが夢だったんです」と語りました。
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一方、数多くのオファーが寄せられるなかで、この作品への出演を決めた理由について、ヘレンは「オファーは多いけれど、いい映画のオファーは多くはないわ。この物語を読んだとき私の中の女優魂がこれはいいと言ったんです。私は第二次世界大戦の直後に生まれたんですが、この作品に出ることになってホロコースト、戦争について学ぶうち、家族を失うということ、思い出を共有する家族がいないということとは自分のアイデンティティを失うことだと知りました。私はそれがどんなに残酷かを語るひとりになりたかったのです」と語りました。
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そして実在したマリアを演じるために、ヘレンは髪の色も瞳の色も変え、ジェスチャーや彼女の動き方を勉強したとか。そのなかでも一番重要だったのは彼女の内面を学ぶこと。彼女の目を通して世界を見るということだったそう。
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また、いつも抜群のファッションセンスとプロポーションでレッドカーペットをわかせ、充実した仕事でも注目を浴びているヘレン。輝き続ける秘訣を聞かれると「もう若くないし、寝起きは美しくなんてないわよ」と笑わせ、「私は楽観的で、世界にひどいことがあるのは無視できないけれど、すばらしい場所だと思っていて、地球に生まれたことに感謝してます。できるだけ長い間ここに住んで愛したいと思っています。それに長生きしたいという理由もあるわ。いろいろなテクノロジーが生まれて、すごい勢いで発展しているでしょう。これがどこまでいくんだろうと思っているの。この好奇心が若々しくいられる理由じゃないかしら」と語っていました。
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▲石坂浩二さんから花束のプレゼント。
そんなヘレンは今回、監督が初来日ということで、「今夜、監督をぱちんこに連れて行くのよ」と語り、会場を大爆笑に!
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最後に「面白かったら笑って、悲しかったら泣いて。そして映画を楽しんでくださいね」と観客にメッセージをおくりました。
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『黄金のアデーレ 名画の帰還』
11月27日(金)、TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー
配給:ギャガ
公式サイト

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