トム・ハーディが語る映画『チャイルド44 森に消えた子供たち』の魅力「キャラクターに導かれて展開する自然主義的なストーリーは刺激的」

映画『チャイルド44 森に消えた子供たち』で主人公のMGB捜査官レオ・デミドフを演じたトム・ハーディが、出演の経緯や作品の魅力を語ったインタビューをご紹介!
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映画『チャイルド44 森に消えた子供たち』は、2009年版「このミステリーがすごい!」海外編で第1位を獲得した、トム・ロブ・スミス原作のミステリー小説が原作。トムが演じるのはMGB捜査官レオ・デミドフ。1953年、スターリン政権下のソ連で、国民的英雄だったデミドフは、ライバル(ジョエル・キナマン)の策略にはまった妻(ノオミ・ラパス)を反逆者として告発することを拒否して失脚。田舎町に左遷されるが、困難な名誉の回復を求めて、地元の警察署長(ゲイリー・オールドマン)と手を組み、少年連続殺人の犯人を追う。だが「夢のような理想」国家において、殺人は公式には存在しないものとされていた。

Q:『チャイルド44 森に消えた子供たち』に出演することになった経緯は?
トム・ハーディ(以下、トム):
ノオミ・ラパスと僕と監督のダニエル・エスピノーサ、そして製作のリドリー・スコットと話し合っているうちに決まったんだ。『The Drop』で共演後、ノオミと僕はまた一緒に仕事ができるプロジェクトを探していた。そんな時、ノオミが『チャイルド44 森に消えた子供たち』とダニエルのことを聞きつけてきてね。僕たちは話し合いの場を設けて、企画について大いに語り合った。僕たち全員にとって刺激的な経験になるだろうと感じられたから、企画を実行することにしたんだ。
Q:この企画のどんなところに魅力を感じたのですか?
トム:
2つある。まずストーリーが気に入った。それに、制作チームの顔ぶれが魅力的だったんだ。ライオンズゲートとは『ウォーリアー』で一緒に仕事をしたことがあったが、その時は素晴らしい経験をさせてもらった。本当に楽しい撮影だったんだよ。ストーリーに関して言えば、『チャイルド44 森に消えた子供たち』はアクションも満載だが、歴史ドラマでもある。キャラクターに導かれて展開する自然主義的なストーリーは、僕にとって身近だが刺激的な分野なんだ。
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トム・ハーディ
Q:あなたが演じるMGB捜査官レオ・デミドフについて教えてください。どんな役作りをしましたか?
トム:
僕にとって刺激的で興味深かったのは、レオが複雑な人物だという点だ。だが映画で演じる際にはシンプルにしなくてはいけない。まずシルエットを描いて、それから命を吹き込む。レオは太陽に近づきすぎたイカロスのような人物なんだよ。彼には悲劇的な側面がある。少年時代は親がいなくて何ひとつ持っていなかった。そこからはい上がり、一度はすべてを手にするが、また何もかも失ってしまう。でも前に進むために人生を立て直そうとする。分かりやすい軌道を描いている人生だね。
Q:偉大なアンサンブルの一部でもありますね。
トム:
夢のようなアンサンブルだね。ソビエト連邦やスターリン政権下の共産主義という舞台背景もあるし、そんな状況で連続殺人事件の捜査が行われるのも面白い。
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Q:デミドフが追う容疑者は、なかなかつかまえられず…ですね。
トム:
豊かなストーリー展開だね。戦争の英雄で今はMGBで働く男がいる。彼は孤児から身を起こし、スターリン政権下のロシアで象徴的な存在になった。究極的には共産主義そのものの象徴だ。だがそれに裏切られる。親友の息子が殺されたことを否定するよう強要され、心から愛している女性(ノオミ・ラパスが演じるライーサ)は自分のことを愛していないという事実を突きつけられる。愛する人たちから怪物のように見なされても、彼が生きている政治的環境のなかでは何もできない。そこが生きる場所であるばかりか、秘密警察の一員として、その体制の先導的役割を担う存在だからね。
Q:ノオミ・ラパスとの再共演はいかがでしたか?
トム:
ノオミは自分がやりたい企画を見つけると、それを実現するためにがむしゃらに努力するタイプの人間だ。撮影現場に立つと、110パーセントの力を注いで演技する。僕が出会ったなかでも最高な役者の1人だよ。彼女に企画を持ちかけられたら、無視したり適当にあしらったりできるものじゃない。彼女が僕と同じように仕事を愛していることを知っているからね。『チャイルド44 森に消えた子供たち』でダニエル・エスピノーサとの仲を取り持ち、関係を築いたのは彼女だ。それから企画が実を結ぶまで、ひたすら懸命に努力を続けていたよ。
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ノオミ・ラパス
Q:ダニエル・エスピノーサがこの映画であなたにもたらしたものは?
トム:
ダニエルもノオミと同じくらい熱心に情熱的に仕事に取り組む。一緒に仕事をしたいと思わせる人だね。彼らは時間を無駄にしない。心から仕事を愛していて、どんな努力も厭わない。限界に挑戦し、可能な限りベストな映画を作るためなら何でもするんだ。
Q:撮影はどうでしたか? どこで撮影したのでしょう?
トム:
撮影はチェコ共和国で行った。スタッフは素晴らしかったよ。高い水準を保って撮影を遂行し、無駄は一切、なかった。仕事をするには最高の国だね。みんなが真剣に仕事をする現場で働けたのは素晴らしい経験だった。彼らはみんな真剣だが、深刻になりすぎることもない。
Q:今回の撮影でいちばん苦労したことは?
トム:
苦労より喜びのほうが大きかったよ。でも僕が苦労したことと言えば、できるだけ原作本に忠実でありながら映画的な迫力を持つ壮大な歴史ドラマを作るという、それまでやったことがないことに挑戦した点かな。全面的に楽しめる魅力的な作品にするために、できる限りのものを注ぎこんだ。要するに、どんな映画でも苦労はつきものなんだよ。いつでも一番、苦労するのは、最大限の魅力を持つ映画を完成させることだね。
ゲイリー・オールドマン
Q:ゲイリー・オールドマンが、デミドフと手を組んで殺人犯を追うことになる田舎町の警察署長、ネステロフ将軍を印象的に演じています。彼とは何度目かの共演になりますね。
トム:
『欲望のバージニア』、『裏切りのサーカス』、『ダークナイト ライジング』そして『チャイルド44 森に消えた子供たち』で4度目だね。ゲイリー・オールドマンは史上、最も優れた性格俳優のひとりだ。こんなことを言うのは僕だけじゃないよ。彼は大作映画でもインディペンデント系映画でも舞台でも、常に最高レベルの演技を見せる。本当に優れた才能の持ち主だ。どんな作品でも、いつも変わらず高水準の名演技を続けているんだよ。ゲイリーのような人と共演すると自分の演技も磨かれるし、最高レベルの真剣さとプロ意識で仕事が成されるという安心感がある。彼は記憶に残るキャラクターを次から次へと演じては、絶え間なく、その力量を証明し続けているんだ。そんな人と共演できたのは、いろんな意味で、夢のようだったよ。
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『チャイルド44 森に消えた子供たち』
7月3日(金) TOHOシネマズ みゆき座他全国順次ロードショー
配給:ギャガ
公式サイト

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