- 2026-11-4
- ENTERTAINMENT
- ヒポクラテスの盲点
大手メディアではほとんど報道されない新型コロナワクチン後遺症の影響を、多角的な視点で描く科学ドキュメンタリー『ヒポクラテスの盲点』が、2025年10月の公開から1年を経て、直近の状況や新たな取材映像を加えた“2026アップデート版”として、11月6日(金)より異例のリバイバル上映を行う。

新型コロナウイルス蔓延という未曽有の危機を経て、日本の感染症対策は変化を重ねてきた。しかし、いまなお社会の深層で燻り続ける問題がある。従来のワクチンとは根本的に異なる新技術で開発された新型コロナワクチン(mRNA遺伝子製剤)による後遺症被害だ。安全性への懸念が指摘されながらも、日本では「重大な懸念はない」とされ、一度も中断されることなく7回目のブースター接種まで推奨が続いた。後遺症に苦しむ患者や、接種直後に家族を失った遺族の声は、いまも十分に検証されていない。
こうした“見えない被害”に早くから気づき、真実の解明に踏み出した医師たちがいる。藤沢明徳氏、児玉慎一郎氏、そして薬剤疫学・再生医療の分野で数々の実績を残してきた福島雅典氏(京都大学名誉教授)らだ。彼らは国内外の学会発表や論文のデータベース化、後遺症の治療法・検査法の開発を行う「ワクチン問題研究会」を2023年に発足させた。
2025年の公開後も監督・大西隼は取材を継続し、2026年に至るまでの新たな動きを記録した。今回のリバイバル上映では、その追撮映像を加えた“2026アップデート版”として公開される。追撮では、接種直後に息子を失った遺族が国と巨大製薬会社を相手取って訴訟を提起する姿、米上院公聴会でアンソニー・ファウチ氏が111回の黙秘権を行使した事実、そしてFDA長官代理が2021年当時に“既存の安全性監視では検出できない副反応”を警告していた内部文書の公開など、世界で新たに明らかになった証拠が提示される。後遺症患者の治療法を探り続ける福島医師の診療、救済されないまま人生を再構築しようとする患者たちの姿──映画が描いた“盲点”は、いまも現在進行形で続いている。
公開から1年。社会はパンデミックの記憶を急速に手放しつつあるが、理学博士(東京大学大学院理学系研究科博士課程修了)の顔を持つ大西隼監督は、「平時こそ、未来の命運が決まる」と語る。本作は、ワクチンの是非を断じる映画ではない。むしろ、社会が“見えない被害”にどう向き合うべきかを静かに問いかける。後遺症に苦しむ人々、家族を失った遺族、そして医療者たちの声は、いまも十分に検証されていない。
大西監督は、公開後も取材を続ける中で、技術がもたらした惨禍──水俣病、薬害、原発事故など、過去の公害問題と自身の関心が再び接続したという。社会はなぜ弱いものに冷たいのか。なぜ公害や薬害はメディアで扱われにくいのか。そして、私たちはその構造にどのように加担してきたのか──。コロナ禍を越えてなお残り続けるこの問いは、アップデート版によってより鮮明な輪郭を帯びる。
パンデミックが“過去の出来事”として忘却されつつある今こそ、必要なのは恐れではなく「事実を見つめる姿勢」だ。本作は、弱者の声がかき消されやすい社会の構造そのものを静かに照らし出し、私たちが直視すべき現実を再び眼前に引き戻す。アップデート版『ヒポクラテスの盲点』は、11月6日(金)より全国公開。

『ヒポクラテスの盲点』
11/6(金)より、新宿ピカデリーほか全国公開
(C)「ヒポクラテスの盲点」製作委員会
