映画『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』リリー・フランキーインタビュー映像が解禁

監督・俳優として世界から高い評価を受ける鬼才・塚本晋也監督の最新作『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』が9月11日(金)に公開。本作は、第83回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門への正式出品に加え、第51回トロント国際映画祭スペシャル・プレゼンテーション部門への正式出品も決定し、世界最高峰の映画祭から大きな注目を集めている。

原作はベトナム戦争に従軍したアレン・ネルソンが、自らの戦争体験と帰還後の葛藤を綴ったノンフィクション。
ネルソン氏はその体験をもとに日本全国で1200回以上の講演を行い、「ほんとうの戦争」を語り続けてきた人物でもあり、彼の証言をもとに塚本監督が「戦争加害者の傷」というテーマに真正面から挑んだ。NY、ベトナム、タイ、沖縄の4か国で撮影を敢行し、これまでにない壮大なスケールの作品となっている。

このたび、20年以上にわたり塚本監督と親交を深め、本作でも重要なキャラクターとして出演するリリー・フランキーの貴重なインタビューが到着。2015年の衝撃作『野火』以来となるタッグを組んだ本作。出演への思いや塚本監督との長年にわたる関係、そして戦争映画を作り続けることの意味を語る貴重な内容となっている。

「すごい作品になると分かったからこそ、しんどかった」台本と向き合い続けた日々

台本を読んだ時の印象について、リリーはまず、塚本監督が作品を通して繰り返し訴えてきたものを「反戦であり、非暴力」と表現する。一方で、「暴力を否定するためには、暴力を描かざるを得ない」と、本作が真正面から戦場の加害を描く意味にも言及。

そして、「本当にこの題材を扱いながら、塚本さんのメッセージがこんなに強く出ているということは、すごい作品になるだろうなっていうのが分かった」と振り返る一方、その強さゆえに自身が参加することへ「すごくしんどい思いがありましたね」と率直な心境を明かす。

さらに「本当にこんなに外にも出ないで、ずっと台本を眺めているっていうことも、あんまりないなと思いました」と語るなど、普段とは異なるほど長く作品と向き合い、黒井という役に臨んだことを明かしている。

「塚本さんの映画に参加できることは、何よりも誇らしい」映画デビューから続く意外な縁

オファーを受けた理由を聞かれると、リリーは「塚本さんの映画に参加できるっていうことは、何よりも誇らしいことですし」と即答。

「映画という意味では、ずっと感謝の気持ちがあって」と、塚本監督への特別な思いを語った。
その原点は、リリーが生まれて初めて出演した映画、石井輝男監督の『盲獣vs一寸法師』。当時、芝居の経験が一度もなかったというリリーは同作で塚本監督と共演しており、「僕の一番長く一緒にいた共演者が塚本さんなんですよ」と笑顔を見せる。

その後、『野火』でもタッグを組み、今回再び“戦争”を描く作品で向き合うこととなった二人。長年の映画人生の始まりからつながる関係性が垣間見える、映画ファンにとっても興味深いエピソードとなっている。

「今、世の中がきな臭いから意味があるんじゃない」50年後、80年後にも残すべきもの

そしてインタビューは、「今の時代に、この映画を作る意味とは?」という問いへ。リリーは「戦争映画っていうのは、どの時代にとっても意味がある」と語る。世界各地で紛争や戦争が続く現在。しかし、「だからこそ意味があるんじゃなくて」と続け、「こういうことが起きていたんだっていうことを、常に人は忘れちゃいけない」と力を込める。戦争映画はその時々の社会情勢によって必要になるものではなく、「常に作られなければいけないはずのもの」。さらに、近年アメリカでもベトナム戦争を題材にした映画が以前ほど作られなくなってきたことに触れながら、「映画というものが持つ意味が、アメリカの中で変わってきたのかもしれない」と語る。

そして最後にリリーが口にするのが、今回のインタビューを象徴する言葉だ。
「これはベトナム戦争に限らずですけど、『野火』でもそうでしたけども、このことはやっぱり50年経っても、80年経っても、誰かが伝え続けなければならない。それを作品にし続けなければいけないと思いますよね」“今だから”ではなく、“いつの時代であっても”。戦争を経験した人々の記憶が遠ざかっていく中で、それでも映画が残し、伝え続けられるものとは何なのか―。長年、塚本監督の作品と歩んできたリリー・フランキーだからこその言葉から、本作が描こうとしているものが浮かび上がるインタビュー映像となっている。

『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』
9月11日(金)よりkino cinéma新宿ほか公開
(C)Mr. Nelson, Did You Kill People? Film Partners (C)Allen Nelson/KODANSHA

ページ上部へ戻る