- 2026-7-30
- ENTERTAINMENT
- ヘンリー
1986 年アメリカ製作の極めて冷徹な映画『ヘンリー』は8月28日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開となる。

本作は完成から数年間、そのあまりの内容に本国アメリカでお蔵入り状態となり、1990 年にやっと正式に公開、日本では 1992 年に劇場公開された作品。
70 年代後半~80 年代にかけて、全米で 300 人以上を殺害したと云われる連続殺人鬼、ヘンリー・リー・ルーカスの日常を淡々と凍るような冷たさで描いた犯罪スリラー。流血や残虐シーンはほとんどないにもかかわらず、作品の放つ空気と徹底したドキュメンタリータッチの描写で<史上最も恐ろしい映画>のひとつとして映画史に残る衝撃作だ。完成した1986年当時、『13日の金曜日』のような観客を楽しませるホラー映画を望んでいた出資会社は、『ヘンリー』の一切の感情を寄せつけない冷徹な内容に唖然、さらにはMPAA(アメリカ映画協会)により X 指定を受けたことにより数年間正式な劇場公開が見送られた。
近年、日本では限定的に劇場公開されていたが、今回が満を持しての正式リバイバル上映となる。
今回、日本オリジナルとなる本ポスタービジュアルが解禁。マイケル・ルーカーが演じるヘンリーの、最も印象的な《眼差し》にフォーカスしたデザインとなっている。平坦、冷淡、非人間的──感情の読み取れない眼差しどころか、果たして眼があるのかどうかさえ伺いしれない面構え。どこを見つめ、何を感じているのか、こちらが読み取ることを一切受け付けず、見る者は、ただ立ちすくみ凍りつくしかない心持ちになる。真一文字に結ばれた口元からは、決して他人が踏み入れることのできない領域を持つことが感じられる。この男には共感も同情の余地も規則性も理由もなく、ただただ殺しを遂行していくのだという底しれぬ恐ろしさを増幅させる1枚となっている。右に添えられた「それは俺がやった。それも俺がやった。」という言葉は、実際にヘンリーが供述した言葉と言われている。
また、併せて予告編も解禁。売春婦の母のもと生まれ、虐待された過去を話すヘンリーの様子から、相棒オーティスや、その妹ベッキーとの奇妙な共同生活、そして押さえきれない加虐性、オーティスの異様性など不穏な要素しか感じられない映像となっている。

【非情3作品とは】
この秋、『ヘンリー』を皮切りに立て続けに上映される3作品のこと。『ヘンリー』は8月28日(金)より、『エヴィレンコ』と『アングスト/不安 4K』はいずれも今秋、シネマート新宿ほかにて全国順次公開となる。
50人以上を殺害したソ連時代最大の連続殺人犯であるアンドレイ・チカチーロを『時計じかけのオレンジ』(71)のマルコム・マクダウェルが演じた『エヴィレンコ』(03)。『エヴィレンコ』はこれまでパッケージ販売や配信も無く、これが完全初上陸、日本劇場初公開となる。
オーストリアの衝動的な一家惨殺事件犯であるヴェルナー・クニーセクをアーウィン・レダーが演じる『アングスト/不安 4K』(83)。2020年に日本で劇場初公開されるや否や異例かつ異様な大ヒットを果たした作品の4Kレストア版。
この3作品のティザーポスターが先日解禁。すべて実際の事件に基づく作品であることから、「これが彼のやったこと。」というコピーが挿入されている。『ヘンリー』、『エヴィレンコ』、『アングスト/不安 4K』の印象的かつ重要なシーンがセレクトされ、人間の不在が、より一層、現場の不穏さを際立たせている。草むらに打ち捨てられた血塗れのスーツケース、取調室の仰々しいオープンリール式テープレコーダー、血塗れのトンネルに転がるボール。ここで一体何が起きたのか、彼らは何をやったのか。決して止めることのできない、予め決定づけられた非情な運命を予期させるデザインとなっている。
『ヘンリー』
8月28日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開
© 1986 MALJACK PRODUCTIONS
