- 2026-2-27
- ENTERTAINMENT
『ノマドランド』で、第93 回アカデミー賞®にて作品賞、監督賞を受賞したクロエ・ジャオ監督の最新作で、第83回ゴールデングローブ賞 作品賞(ドラマ部⾨)、主演⼥優賞(ドラマ部⾨)の2部⾨を獲得したほか、第98 回アカデミー賞Ⓡでは、作品賞、監督賞、主演⼥優賞などの主要部⾨含め合計8 部⾨にノミネートされた『ハムネット』(4/10 公開)。

「まさに奇跡の連続のような映画だよ」―この度、本作でアカデミー賞(R)作曲賞にノミネートされた作曲家マックス・リヒターと、監督のクロエ・ジャオが作品への没⼊体験を⽣み出す⾳楽の秘密、そして想いを明かす特別映像が解禁された。
舞台は16 世紀イギリスの⼩さな村。森を愛し、薬草の知識に優れ、不思議な⼒を宿した妻アグネス・シェイクスピアと、劇作家としてロンドンで活動する夫ウィリアム・シェイクスピア、そしてその3 ⼈の⼦どもたちが描かれる。ロンドンへ単⾝で出稼ぐ夫を尊重し、⽗親不在のなかで⼦どもたちを守り奮闘するアグネスだったが、あるとき⼀家に⼤きな不幸が降りかかる――。
⻑編映画では『ふたりの⼥王 メアリーとエリザベス』や『アド・アストラ』などでも知られ、観客の感情の深部に染み込む⾳楽を⽣み出し、現代クラシックの最前線を切り拓くピアニストでもあり作曲家のマックス・リヒター。
シェイクスピアが⽣きたルネサンス時代は、それまでの中世的な“神中⼼”の世界観から、⼈間の理性や個⼈の感情、⾃然や⾝体といった〈⼈間そのもの〉へと価値の軸⾜が移る⼤きな転換点でもあった。リヒターが「中⼼になるのはルネサンス期のDNA だ」と明かすように、彼はシェイクスピアが⽣きた時代の精神や空気感を⾳楽に落とし込むべく、楽器編成や和声構造においてエリザベス朝⾳楽の声部進⾏や対位法を取り⼊れ、「⼤地の魔法や⺠間伝承、魔⼥を想起させる⾳⾊」を志向したという。

©2026 Getty Images
⼀⽅、ジャオ監督もリヒターの⾳楽に強い信頼を寄せる。“宇宙は振動でできている”というリヒターの
考えに触れ、「この映画の⾳楽と振動を同期させることができれば、観客は⾃分が宇宙の⼀部だと気づくはず。
物語の語り⼿として、⼀瞬でもそれが実現できたら最⾼」とコメント、リヒターもまた「オーケストラ⽤楽譜の⼤部分に、抽象的かつ⾊彩豊かな声楽素材を⽤いている。感情に訴えかけるためにね」と⾔い、そのことによって「彼らがグローブ座(「ハムレット」公演会場)に⾜を踏み⼊れる圧巻のシーンでは、合唱団のような⾳楽が流れる」と説明、「まさに奇跡の連続のような映画だよ」と感激を⼝にしている。
⾮常に感覚的な作品世界の〈体験性〉を重視するため、ルネサンス期の楽器を⽤いながらも、あえて伝統的な奏法は採⽤していない。弦を擦る⾳、指が触れる⾳、鍵盤のきしみ――そうした“接触⾳”に焦点を当てることで、ASMR(⾃律感覚絶頂反応)にも通じる⽣々しい聴覚体験を⽣み出している点も本作の魅⼒の⼀つだ。
振動そのものが感情を揺さぶり、⾳と物語がひとつに溶け合う。観客を深い没⼊へと誘う⾳楽体験が『ハムネット』には息づいている。
『ハムネット』
2026年 4月10 日(金)公開
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